睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)は、睡眠中に本人がまったく無意識のうちに幾度となく呼吸がとまってしまう病気です。医学的には、「10秒以上の無呼吸状態が1時間中に5回以上生じる病態」と定義されています。
無呼吸の回数が5回以下=正常、5~15回=軽症、15~30回=中等症、それ以上は重症と判定されます。
そしてその大半は睡眠中に上気道がふさがることで呼吸ができなくなる「閉塞型SAS」といわれています。「閉塞型SAS」は、「ガァーッ、ガアーッ」と大きないびきをかいていると思うと突然呼吸が止まり、その状態がしばらく続いた後、苦しさに耐えられずに再び呼吸をはじめ、また「ガァーッ」と大きないびきをかく。これを睡眠中に何度も繰り返すという特徴があります。
SASを放置すると
睡眠中に無呼吸状態が頻繁に起こると、血液中の酸素の低下や中途覚醒による睡眠の分断等を招き、多くの生活習慣病との合併症を引き起こします。
健常人と比べると高血圧は1.37倍、夜間心臓突然死は2.61倍、脳卒中・脳梗塞は3.3倍にまで発症リスクが高まるといわれています。
また、睡眠の分断が日中の眠気や集中力の低下を招き、居眠りによる交通事故率は健常人の約7倍にまで高まります。
いびきやSASについて心当たりのある方は、当院の呼吸器内科(毎月第1・第2・第4土曜日)を受診してください。
検査について
SASの検査は問診で自覚症状や日頃の睡眠の状況を聞くことから始まります。気になる症状を具体的にお伝えください。問診の結果、SASが疑われる場合には検査が必要になります。
簡易検査で症状が重いと判断される場合にはすぐに治療へ進みますが、入院してより詳細な状況をみるPSG検査(終夜睡眠ポリグラフ)が必要となる場合には、近隣の病院を紹介して検査を受けていただきます。